独自の生存空間を模索する台湾 3
台湾の憲法を見ると、ブルジョア憲法とプロレタリァ憲法の矛盾、内閣制と大統領制の矛盾、そして三民と五権の矛盾が絡み合って、わけのわからない憲法を形づくっていると李教授は説明します。
しかもその憲法に付属し、憲法の上に新たな強大な権限を置き、憲法の精神を無効にするような臨時条款があります。
李鴻禧教授は、憲法学者として臨時条款の存在は我慢できないものだったと言います。
憲法とは本来すべての法律の上に君臨する最高法規であって、下の法律が憲法に違反すれば違憲審査という方法でこの法律を無効にできる。
・・・しかし臨時条款は憲法の規定と矛盾する内容も盛り込み、2つの異なった憲法が両立するために、その下に所属する一般の法律自体もその有効性が定まりにくくなり、法体系全体に秩序が保てなくなる。
・・・憲法学者として耐えられない思いに駆られるのは、外国の学者からいつも言われる「こんな憲法でよく下の法律が機能しますね」という指摘だといいます。
今回、国民大会の決定で臨時条款そのものは廃止されました。
しかし、実はその臨時条款の一部は憲法本文のなかに残されることになりました。
総統の緊急命令権と総統に直属する国家安全会議の設置です。